悲願のPininfarina本社訪問-1

Apr 23,2015

こんにちは、バイヤーの岡林です。

先日、イタリア・トリノを訪問してきました。
3年前に同じくトリノにある“ジウジアーロ”社を訪問した記事をアップしました。今回は、その双璧ともいえるピニンファリーナ社。言わずもがな、世界に誇るデザインセンターであり、クルマはもちろんのこと、あらゆる工業デザインを手掛けるグローバルカンパニーです。

トリノ中央駅からクルマで約40分くらい離れたところにピニンファリーナの本社があります。どんどん加算されていくタクシー料金カウンターをチラチラで見ながら馳せ参じたのでありました。

Pininfarina本社

“ピニンファリーナ”
私はこのネーミングを聞いただけで、多くの名車が脳内をよぎり、数々の名作を生み出した歴史にこうべを垂れるしかありません。この社屋に掲げられたブランドロゴに迎えられ、小生は本社に潜入したのでありました。

エントランスをくぐると、一部がミニミュージアムとなっており、ピニンファリーナの作品と出会うことができます。

Pininfarina本社 ミニミュージアム

いわゆる博物館と違い、ここは会社です。エントランスの守衛室でパスポートを預け、守秘義務契約書にサインをして、担当者に確認を取って初めて“入館”が許されるのです。無論、カメラ、携帯の持ち込みもNG。セキュリティは厳重です。

さあ、展示車両を見てみましょう〜。

ランチア・フロリダ2-プロトタイプ

“ランチア・フロリダ2-プロトタイプ”
創業者ピニン・ファリーナ氏が所有した車両。家族で使える大衆車の用途でデザインされました。2266ccの発動機は87馬力を絞り出します。デトロイトのカーメーカーが車内で生活し、寝ることができる車両を作っていたが、フロリダはまさにその車両である、と回想していたようです。

アルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダー

“アルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダー”
1955年に発売されたこの車両は、ピニン・ファリーナ氏が「Nice Girl」と呼び、実に27,000台以上も出荷されるヒット商品になりました。また、この車両は北米にも輸出され、ヨーロッパともに人気を博しました。1290cc、80馬力のリアドライブ

フェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー

フェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー

“フェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー”
エンツォ・フェラーリが掲げた高性能スポーツカーのミッドシップエンジン車を世に送り出すべく開発されたこのマシンは、ピニンファリーナ社でエアロダイナミニズムの研究とともに完成しました。この車両は1973年に完成したプロトタイプで、929台が生産されました。4390cc、360馬力のリアドライブ。

アルファロメオ・デゥエトッタンタ

“アルファロメオ・デゥエトッタンタ”
アルファロメオ100周年を記念して用意された試作車。ピニンファリーナ社とアルファロメオ社の過去と未来の関係を予見させる一台。

セルジオ

セルジオ

セルジオ

セルジオ

“セルジオ”
セルシオではありません(笑)。ピニンファリーナ社の3代目であり現社長のセルジオ・ピニンファリーナ氏のネーミングが付けられたプレミアムカー。生産はフェラーリ社で行いました。この車両を所有するのは世界でもたった6名。ピニンファリーナ社総力をあげて開発した最高傑作です。

しばし時間を忘れて撮影に没頭。スタッフに案内されて、奥の建物に移動しました。

奥の建物

そこにはPininfarinaが開発している電気自動車が数台展示してありました。

Pininfarinaが開発している電気自動車

Pininfarinaが開発している電気自動車

Pininfarinaが開発している電気自動車

Pininfarinaが開発している電気自動車

当然ながら、エンジンではなくバッテリーで動くので構成部品も大幅に減り、デザインの自由度も広くなるような気がします。イタリアやフランスの中心部では電気自動車はたくさん見かけます。うむ、これはこれで見ていて楽しい。でも自分が乗るならエンジン車が絶対いいけど。

この社屋の奥に社員食堂があって、ここでランチをしました。さすがに撮影は控えましたが、ここで食べたペンネは美味しかったです。ピニンファリーナ社には世界中からデザイナーが集まっています。現在は日本を拠点にご活躍されている奥山清行(KEN OKUYAMA)氏も同社に在籍されていました。

ピニンファリーナ社の正面玄関

そして最後のシメはピニンファリーナ社の正面玄関で記念撮影!

かつてイタリアでは、ジウジアーロ、ザガート、ベルトーネなどいくつものカロッツェリアが存在していましたが、買収(ジウジアーロは現在フォルクスワーゲングループ傘下)や倒産で減少。ピニンファリーナは唯一のイタリアンカロッツェリアとなっております。また、今年で85周年を迎える同社では、ミラノで開催されるエキスポにも参加し、記念イベントも開催するようです。

ルネッサンス時代から脈々と受け継がれるイタリアンデザインの一部は、このピニンファリーナがしっかり継承していると言えるでしょうね。私は今回も訪問を忘れられない思い出にしたいと思います。

おしま…………。

ちょっと待って下さい!

そもそもなぜ私がピニンファリーナ社を訪問したか?

その説明を『悲願のPininfarina本社訪問-2』でさせて下さい。

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