こんにちは、漂泊のバイヤー岡林です。
今回は石川県小松市にある「日本自動車博物館」を訪れました。大阪駅から午前8時10分発の特別急行「サンダーバード」で揺れることおよそ2時間30分。目的地の小松駅で下車。そこからクルマで約10分で国内最大と言われる自動車ミュージアムに到着したのであります。
まるで中世の洋館を思わせるたたずまい。美しい受付のお嬢様に入場料1,000円の支払いを済ませると、その余韻もそこそこに展示場に足を踏み入れました。
まず最初に遭遇したのがこのロールス・ロイス。シルバーレース(1948年式)というモデルです。昔も今も、最高級サルーンとしての地位が揺らぐことはありません。このフロントマスク、圧巻の一言です。
車両案内にはランチアではなく“ランチァ”と表記され、恐らく当時の車検証をもとに記載をしているのではと推測します。以前私が乗っていたモトグッツィですが、車検証には「モトグツチ」と記載があり、さらに古いモデルになると「モトグツテイ」とカタカナ表記されていますので、しまいには何の車両だか分からなくなってしまいます。
当時イギリスでは3輪車は税金面で優遇されていたことが、誕生の背景にあるようです。今でも、生産しているモデルですね。
私からすればこれぞクルマの王様。メルセデス・ベンツ 300SL。俳優の夏木陽介さん所有の車両です。当時日本では、力道山や石原裕次郎などごく限られた人がオーナーとなりました。夏木陽介さんは無類のクルマ好きでも有名なお方です。
これはかっこいい!と思いました。ボルボ1800ES(1973年式)この形状でワゴンなんですよ。カクカクしたイメージが強いのがボルボなんですがね。このフロントグリルのアイアンマークが現在のボルボロゴの原型になっています。今や常識になっている3点式シートベルトはボルボが最初に発明したものです。
トヨタ2000GTとヨタハチ。発売当時から高価でしたが、今買うといくらになるんでしょうね。内装も素晴らしかったです。トヨタにおけるスポーツカー黎明期を象徴する2台です。
この車両はマニアック。日産(シャシ)・オーテック(パワートレイン&チューニング)・ザガート(エクステリア&インテリア)の3社のコラボレーションによる作品です。ベース車両は日産レパード。1989年の東京モーターショーで発表された同車両価格は同時で1,870万円と破格。
いすずの代表作品と言えるでしょう。イタリア語で「広場」を意味するピアッツァは、ジウジアーロによるデザイン。写真では分かりませんが、運転席は超未来的なデザインでたまりません。ハンドリング・バイ・ロータスという限定モデルも発売されました。
この博物館にはまだまだ見どころがたくさんあります。3階建ての建物には多数の名車をお目にかかることができます。しっかり見ていくと半日では時間が足りません。
ミニカーやバイクの展示もあり、シーズンによっては特別展示イベントも開催しております。私が行ったときは日産スカイラインとトヨタクラウンの車両が多数展示されていました。あと、世界のトイレが館内にコレクションされており、実際使用できます(笑)
あえて難を言うならば、展示車両について表記されている情報がやや乏しい点と展示場所によって照明が暗くて見えづらい点でしょうか。しかし、このボリュームで1,000円はとても安いです。博物館を訪問した際は合わせてMotorimoda姉妹店のボレロ金沢に立ち寄ることもお忘れなく!
無論、帰京は開通したばかりの北陸新幹線で。車両も新しくて快適そのものでした。石川県、とりわけ能登半島はツーリングやドライブにはもってこいの場所だそうです。
この博物館はもちろんのこと、周辺では魚、地酒、温泉も楽しむことができます。車窓からはもみじ色に染まる前の小さい秋を見つけました。
おしまい。