こんにちは、バイヤーの岡林です。
スイマセン、もう一度つぶやかせて下さい。
前号でDUCATI博物館の紹介を少ししました、その後どうしても行きたい衝動に駆られまして、その衝動に身を任せました。
ボローニャ中央駅からタクシーで15分くらいのところに、DUCATI本社はあります。タクシーでは「DUCATI」を連呼すれば大体通じます。立派な本社屋でした。
この工場&博物館見学は完全予約制です。Webで予約すると後で確認メールが届きます。残念ながら、この見学ツアーは英語かイタリア語しかありません。本社入り口で点呼を終え、ツアー料10ユーロ(約1,050円)を支払って、まずは工場見学からです。ただ、この工場見学、写真が一切NGなので、ここでお見せできる画像はありませんので、あしからず。
日本メーカーもそうですが、国外に工場を設けるところが多いなか、DUCATIはこのボローニャ本社のみで生産されています。正真正銘のMade in Italyバイク。工場内は清潔で、システマチックに稼働していました。
博物館に入って我々ツアー客を迎えてくれたのは、DUCATIの最高傑作とされているパニガーレ。ミラノショーでも見ましたが、ここではわずか7名ほどのツアー客しかいません。じっくり堪能しました。特にリア周りは美しい〜。
元々DUCATI社はバイクメーカーではなく、タイプライターや電動ひげ剃りなどを作っていた電機メーカーでした。館内ではそのころの製品が展示されています。しかし、第二次世界大戦で工業都市のボローニャは連合国軍の激しい空爆に遭い、当時のDUCATI本社は消失してしまいます。これは日本もドイツも同じです。
戦後、DUCATIは「クッチョロ」という小型エンジンの開発に乗り出しました。このエンジン、50㏄でリッターあたり100キロ近くも走行できる今でも先端のエコエンジンなのです。ちなみにクッチョロ(Cucciolo)とは仔犬という意味で、昔のDUCATIの看板には仔犬が登場しています。
みなさん、ご存知でしょうか?幻のバイク「アポロ」です。市販はされずに世界で一台だけ試作車が存在します。それどこにあるか分ります?実は、日本(大分・湯布院の岩下コレクション)なんです。DUCATI本社にもありません。
奥に見えるのが名車イモラ。DUCATIって赤のイメージが強いですが、本来のイメージカラーはシルバーなんです。
あれ、これはAir BornヘルメットのRaymond Roche(レイモン・ロッシュ)さんではありませんか。
7名のツアー客の内訳は、ロシア人、イギリス人、アメリカ人(なぜか彼は全身レーシングスーツで見学)の旧連合国軍、そして日本人は私一人。親切にも写真を撮ってくれるというロシア人の誘いがありパチリ。
見学の時間はきっかり一時間でした。ガイドをしてくれたイタリア人女史もツアーが終わるとサッサと退散し、エスプレッソ飲みながら煙草をくゆらしていました。イタリア女性の喫煙率高いんです。
来年のMOTO GPはHONDA、YAMAHA、DUCATIの3メーカーのみの参戦となりそうですね。今回の見学では、我々に夢と興奮を与え続けてきたDUCATIの歴史を堪能しました。
おしまい