こんにちは、バイヤーの岡林です。
先日、イタリア・トリノを訪問してきました。
3年前に同じくトリノにある“ジウジアーロ”社を訪問した記事をアップしました。今回は、その双璧ともいえるピニンファリーナ社。言わずもがな、世界に誇るデザインセンターであり、クルマはもちろんのこと、あらゆる工業デザインを手掛けるグローバルカンパニーです。
“ピニンファリーナ”
私はこのネーミングを聞いただけで、多くの名車が脳内をよぎり、数々の名作を生み出した歴史にこうべを垂れるしかありません。この社屋に掲げられたブランドロゴに迎えられ、小生は本社に潜入したのでありました。
“ランチア・フロリダ2-プロトタイプ”
創業者ピニン・ファリーナ氏が所有した車両。家族で使える大衆車の用途でデザインされました。2266ccの発動機は87馬力を絞り出します。デトロイトのカーメーカーが車内で生活し、寝ることができる車両を作っていたが、フロリダはまさにその車両である、と回想していたようです。
“アルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダー”
1955年に発売されたこの車両は、ピニン・ファリーナ氏が「Nice Girl」と呼び、実に27,000台以上も出荷されるヒット商品になりました。また、この車両は北米にも輸出され、ヨーロッパともに人気を博しました。1290cc、80馬力のリアドライブ
“フェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー”
エンツォ・フェラーリが掲げた高性能スポーツカーのミッドシップエンジン車を世に送り出すべく開発されたこのマシンは、ピニンファリーナ社でエアロダイナミニズムの研究とともに完成しました。この車両は1973年に完成したプロトタイプで、929台が生産されました。4390cc、360馬力のリアドライブ。
“セルジオ”
セルシオではありません(笑)。ピニンファリーナ社の3代目であり現社長のセルジオ・ピニンファリーナ氏のネーミングが付けられたプレミアムカー。生産はフェラーリ社で行いました。この車両を所有するのは世界でもたった6名。ピニンファリーナ社総力をあげて開発した最高傑作です。
そこにはPininfarinaが開発している電気自動車が数台展示してありました。
当然ながら、エンジンではなくバッテリーで動くので構成部品も大幅に減り、デザインの自由度も広くなるような気がします。イタリアやフランスの中心部では電気自動車はたくさん見かけます。うむ、これはこれで見ていて楽しい。でも自分が乗るならエンジン車が絶対いいけど。
この社屋の奥に社員食堂があって、ここでランチをしました。さすがに撮影は控えましたが、ここで食べたペンネは美味しかったです。ピニンファリーナ社には世界中からデザイナーが集まっています。現在は日本を拠点にご活躍されている奥山清行(KEN OKUYAMA)氏も同社に在籍されていました。
そして最後のシメはピニンファリーナ社の正面玄関で記念撮影!
かつてイタリアでは、ジウジアーロ、ザガート、ベルトーネなどいくつものカロッツェリアが存在していましたが、買収(ジウジアーロは現在フォルクスワーゲングループ傘下)や倒産で減少。ピニンファリーナは唯一のイタリアンカロッツェリアとなっております。また、今年で85周年を迎える同社では、ミラノで開催されるエキスポにも参加し、記念イベントも開催するようです。
ルネッサンス時代から脈々と受け継がれるイタリアンデザインの一部は、このピニンファリーナがしっかり継承していると言えるでしょうね。私は今回も訪問を忘れられない思い出にしたいと思います。
おしま…………。
ちょっと待って下さい!
そもそもなぜ私がピニンファリーナ社を訪問したか?
その説明を『悲願のPininfarina本社訪問-2』でさせて下さい。